今井町には約600軒の民家がありますが、そのうちの8割以上が江戸時代以降に建設されたものです。大きな火災にあうこともなく、数多くの重要文化財や町並みが当時の姿のままで残っています。今井まちや館では、当時の生活の様子が再現されており、まるで江戸時代にタイムスリップしかたのような感覚を楽しむことができます。
今西家住宅
豊田家住宅
中橋家住宅
上田家住宅
音村家住宅
旧米谷家住宅
河合家住宅
高木家住宅
称念寺本堂
吉村家住宅
山尾家住宅
旧高市郡教育博物館(華甍)
称念寺を中心とした寺内町今井は完全な城塞都市で、江戸時代初期の概略を考えると、東西600m、南北310m、周囲には環濠土居を築いた戸数1100軒、人口約4000数百を擁する財力豊かな町でした。
町割は西、南、東、北、新、今の六町に分かれ、9つの門からは木橋を通って濠を渡り、外部の道路と連絡しています。内部の道路で見通しのきくものはなく、ほとんどが一度屈折させております。これは、敵の侵入に備えて、その遠見、見通し、弓矢・鉄砲の射通しを不可能にしたものでした。当初は軍事目的のためにつくられたものでしたが、江戸時代中期には富裕な商人の生命、財産などを外部から守るというものに変貌していきます。
現在も、今井町の大半の民家が江戸時代以来の伝統様式を保っており、慶安3年(1650年)の今西家をはじめすぐれた民家が数多く立ち並び、今なお、町全体が戦国時代にできた寺内町の歴史の重さをずっしりと感じさせています。